梅雨じゃなくても湿気ってる。

思い付いた事を、気が向いた時に書いてます。

夢の記録②2021/2/26

 友人の自宅へ訪問する為に、草加駅へやってきた。待ち合わせしていた時間よりだいぶ早く着いてしまったので、友人へのお土産に駅構内のパン屋で買い物することにした。小さな店内は客でいっぱいで、陳列されているパンも残り少ない。友人は甘いものが好きなので、目についた菓子パンをトングで挟み、トレーの上に載せる。チョコレートでコーティングされた生地に、大量のホイップクリームが挟まったデニッシュ、雪みたいな粉砂糖の塗された捻れたかたちの揚げパン、いちご味のてらてらしたチョコレートの上に、カラースプレーが散りばめられたふっくらとしたドーナツ。それらのごくありふれた菓子パンを闇雲にトレーの上に載せていると、商品棚のいちばん下の段に、他ではあまり見たことのない変なパンが陳列されているのを見つけた。薄いパンケーキのようなナンのようなぺらぺらの生地が何枚か重なっていて(しかもよく見ると生地一枚一枚が気泡だらけでスカスカである)そのてっぺんにパリパリに乾いた栗が一粒乗っかっているだけ という、なんとも地味な食べ物だった。その瞬間のわたしが、なぜそれを購入しようと思ったのか今でもよくわからないが、とにかくわたしはその名前もわからない地味な食べ物を、重なっている部分が崩れないよう、右手に持ったトングで極力優しく掴んで、他の菓子パンでぎゅうぎゅうになったトレーの上にそっと載せた。会計を済ませようとレジへ向かう際、友人から電話がかかってきた。「駅着きました。どこ居ます?」

友人へ自分の居場所を伝えると、彼女はすぐに店にやってきた。そして、わたしが手に持つ菓子パンで満載のトレーを見るなり、

「そんなに食べれないですよ」と言って笑った。でも、今日大人3人もいるでしょ?きっとすぐなくなりますよ。Aさんもいるし。Aさん、いっぱい食べてくれますよ。

「それもそうですね。」さて、会計を済ませてさっさと店を出よう。そう思い、トレーをレジカウンターに載せた途端、どういうわけか、先ほどトレーに積んだ菓子パンがひとつ残らず消え失せていた。あれ……どうなってるの?

「やられましたね〜。今日、セールだったんですね、この店」
友人は、もうほとんど商品の残っていない店内を見回し、「さすが。治安最悪」
呆れ顔でそう呟いた。